平成30年10月20日、21日に行われた「訪問リハビリテーション実務者研修」に参加してきました。これは年に1回北海道全域の主として訪問リハビリテーションの従事者を対象とする研修で、今年で10回目の開催となりました。(実は開催当初からこの研修の企画や準備を行ってきているのですが、10年も経過していたとは!本人たちがびっくりしています)今回は当日の役割はなく、一参加者として久しぶりにじっくりと講義やシンポジウムを聞くことができました。
一日目は、訪問リハと医師との連携が主なテーマで、日頃からお世話になっている静明館診療所の大友宣医師の講義とグループワークがありました。訪問リハビリは、私たちのような訪問看護ステーションから訪問を行う場合と、医療機関や老健から訪問を行う場合があります。どちらの場合も、自分たちの所属する病院以外の医師とはなかなか直接連絡をできない状況であることがわかりました。そう思うと、報告書を持って訪ねていくと時間をとって利用者さんのお話を聞いてくださる先生や、電話やメールなどのツールを使用して日々情報を共有することのできる訪問診療の先生方のご対応には感謝感謝の一言です。どの利用者様に関しても、主治医へは毎月書面で報告を行っており、緊急時には病院の窓口を通じ連絡をとらせていただいていますが、これからは大友先生に教えていただいたコツや、グループワークで話し合われた工夫などを駆使して、医師との連携に努めていきたいと感じました。
二日目は、循環器疾患を持つケースの理解と病院と訪問との連携がテーマでした。講義の中で話題になった「心不全パンデミック」という言葉が印象的でした。心不全を抱えた高齢者がこれからも増加し続け、入院や外来でのリハビリテーションに期限がある以上、在宅には心不全を抱えた高齢者でいっぱいになると予測されているそうです。
もちろん、その方々の受け皿の一つは訪問看護であり訪問リハビリになります。
これは心不全などの循環器疾患に限ったことではありませんが、訪問看護やリハビリは病気そのものを治したり、24時間にわたり薬や食事や運動を管理することはできません。利用者さんや家族と相談しながら、病気や障害とうまくつきあって、いかに日常の生活をスムーズに、苦痛なく、楽しく過ごすことができるかが大事です。
そのことを頭に置きながら、それぞれの医療機関ときちんと連携をとり、専門的な情報を把握した上で、一人一人の希望に添った在宅での生活を支援していくことが必要だと改めて感じました。
研修では、札幌市外からお越しの方やまだ訪問を始めて間もない方などいろいろな方とお話をしました。場所や環境が違えば、それぞれ抱えている問題も様々だなあと思う一方で、訪問リハを始めたころは、札幌にも十数人しか従事者がいなかった頃のことを思い出し、良い時代になったなあ(しかし歳をとったものだなあ)としみじみ感じた二日間でした。明日からまた、現場で頑張ろうと少し元気になりました。
参加したみなさん、お疲れ様でした!